当社施工不備物件の改修工事遅延及び今後の改修方針に関するご報告

2020年6月5日
株式会社レオパレス21

株式会社レオパレス21(東京都中野区 社長:宮尾 文也、以下「当社」)は、2019年10月31日付リリース「当社施工不備物件の全棟調査の状況及び今後の改修工事の方針について」において、明らかな不備が確認された物件のうち、優先調査対象物件としていた商品シリーズ※1で2020年6月末、それ以外の商品シリーズ※2で同年12月末までの改修工事完了を目指すこととし、上記のほかに確認されている軽微な不備については、2020年6月末を目処に改めて改修計画をご報告することとしておりました。
当社として最大限の努力を払う覚悟で改修工事計画を策定・公表しましたが、その進捗が遅延していることによって、入居者様、物件所有者様を始めとする当社の全てのステークホルダーの皆様にご心配とご迷惑をお掛けしておりますことを衷心よりお詫び申し上げます。

改修工事遅延理由及び今後の改修方針につきましては、以下に記載のとおりです。

  1. 改修工事遅延理由

    (1)改修工事着工に係る各特定行政庁との協議完了の遅延
    着工事前協議にあたり必要となる提出書面の作成に時間を要していたことに加え、行政協議を担当する社内建築士の退職が改修計画公表以降も相次いだことにより、改修工事着工に必要となる協議の完了が遅延いたしました。
    具体的には、2020年3月期の期初時点で382名在籍していた社内建築士が期末までに71名(うち改修計画公表以降は30名)退職した結果、全国的に行政担当者の人員不足が生じることとなりました。不足を補うために地域間で人員の融通を図りましたが、特に物件数の多い大都市圏の事業所や、全国の事業所を支援する本社において退職が集中し、十分な体制を確保することができませんでした。
    結果として、優先対象商品シリーズにおいて2020年6月までの改修工事完了を目指すために2019年12月末を行政協議完了の目処としていたところ、2019年12月末時点における協議完了率は全国で74.9%、2020年5月末時点においては89.9%にとどまることとなりました。
    改修工事対象の着工状況は、2020年5月末時点優先改修対象7,638棟に対し、着工済棟数は6,367棟(全体比83.4%)、未着工棟数は1,271棟(同16.6%)となっており、未着工1,271棟のうち774棟において行政協議が未了となっております。
    協議未完了棟数は大都市圏に集中しており、東京都・千葉県・埼玉県・兵庫県の4都県合計で611棟と、全体の約8割を占めております。当該都県は、もとより対象棟数が多数であったことに加えて、社内建築士の退職も集中したことから、特定行政庁の指導項目に対する当社の体制・対応が十分でなかったことにより行政協議の完了が遅延しております。

    (2)工事管理者の不足及び施工業者の離脱
    2020年5月末時点優先改修対象7,638棟に対し、6,864棟の行政協議を完了させ、6,367棟について着工いたしましたが、497棟で着工に至ることができませんでした。
    着工に至らなかった主たる要因といたしましては、2020年3月期中に工事管理を担当する施工管理技士をはじめとした社内技術者が42名(うち改修計画公表以降は23名)退職したことに加え、昨年10月に発生した水害により南東北・関東を中心に99棟が被災したことで、15名の社内技術者を復旧のため被災地域に配置せざるを得ない状況となり、この状況は現在も継続しています。
    当社は、2019年10月31日付リリースで掲げたとおり施工業者を広く募り施工体制の拡充を進め、2019年10月以降で186社を追加し、合計472社の施工業者を確保しておりました。しかし、上記の社内技術者の減少によって改修工事現場を担当する工事管理者に不足が生じたことで改修工事の工程が組めず、結果として発注に至らないまま施工業者の離脱が多数生じてしまいました。
    工事管理者の不足を補うため専門派遣会社への要請や施工業者に工事管理者の用意を求める等の対策を試みましたが、なお工事管理者を充分に確保することはできませんでした。

    (3)新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言による改修工事の中断
    新型コロナウイルスの感染拡大に伴い2020年4~5月にかけて全国的に緊急事態宣言が発令され、移動や経済活動に一定の制限が課されました。
    当社も感染拡大防止のため緊急事態宣言が解除されるまでの期間改修工事を中断しており、その分改修工事の進捗が滞ることとなりました。

  2. 今後の改修工事について

    当社は、これまで施工不備問題の早期解決に会社を挙げて取り組んでまいりましたが、上記のとおり、施工不備問題の対応が長期化する中で、十分な施工体制を維持できなかったことにより、改修工事の遅延という状況となっております。
    他方、当社の業績及び財務状況は本日付の「2020年3月期決算短信」にて開示しましたとおり厳しい状況が続いており、今期2021年3月期の業績予想につきましても当期純損失の計上が余儀なくされております。施工不備問題の対応を確実に遂行するためには業績の回復が不可欠であることから、同じく本日付で公表しました「抜本的な事業戦略再構築の検討結果を踏まえた構造改革の実施について」に基づき、希望退職を含む人的・物的資源の再配置を実施することといたしました。
    以上より、誠に遺憾ながら、2020年7月以降、施工不備対応に関わる施工規模・施工体制を一旦縮小せざるを得ない状況となりました。
    つきましては、明らかな不備の改修工事完了時期及び軽微な不備のみ物件の改修計画の報告時期について現時点で明確にお示しすることは困難な状況にあるため、今後の業績改善の目処が立った時点で、改修計画の見直しを行い改めてご報告させていただきます。

    当社は、様々な形でステークホルダーの皆様からご意見等をいただき、皆様が長らくご心配・ご不安な思いを抱かれていることを重く受け止めております。
    それ故に、今回、施工不備問題解決の具体的な見通しを示すことができませんでしたことに対し、改めてお詫び申し上げます。
    しかし、そのような中でも、施工不備問題の解決を当社の重要課題と位置付ける方針自体に変更はなく、施工不備問題への対応を確実に遂行いたします。今後は、抜本的な事業戦略の見直しに伴う構造改革を通じて安定して施工不備問題対応を実施できる体制を整えながら、着実に問題解決に向けて前進することにより信頼回復を図ってまいります。

    以上

    (※1)優先調査対象物件としていた商品シリーズ
    2018年4月27日ニュースリリースおよび同年5月29日付ニュースリリースにて施工不備の疑いがある旨を公表した以下の商品シリーズに該当する物件を指します。
    「ゴールドネイル」「ニューゴールドネイル」
    「ゴールドレジデンス」「ニューシルバーレジデンス」「ニューゴールドレジデンス」
    「スペシャルスチールレジデンス」「ベタースチールレジデンス」「コングラツィア」

    (※2)それ以外の物件商品シリーズ
    当社が調査の対象としている当社施工物件のうち、優先調査対象物件を除いた42シリーズの物件を指します。

<本件に関するお問い合わせ>

オーナー様  フリーコール 0120-082-991 (受付:10:00-18:00)
入居者様   フリーコール 0120-590-080 (受付:10:00-18:30)
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報道機関様  広報部    03-5350-0445 (受付:9:00-18:00 定休日 土日祝)